サイレントランニング
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- 種類: 映画
- 発表年: 1972
- 舞台年: 2001
- 舞台年補足:
- 未来世界の描かれ方: 楽観的
「サイレントランニング」は、1972 年に発表された映画作品。発表年の 29 年後となる「2001 年」が舞台となる。
登場する未来技術 †
なお、その他の興味深い演出を以下に記す。
作品レビュー
主人公ローウェンの植物に対する愛情や、電動カートでやんちゃに遊ぶシーン、そしてロボットの愛くるしい動きなど観ていて優しい気分にさせる独特の風情があり、知名度は高くない一方で意外とファンの多い作品です。後続のSF作品で参考・引用されている箇所もあるほど。
秀逸の音楽を背景に描かれるダグラストランブルとジョンダイクストラの特撮による宇宙空間の映像は、模型の精巧さやデザインの素晴らしさと相まって21世紀になった今見ても見応えがありSFファンであれば垂涎の出来です。
ところがストーリーはと言えばどうでしょう。
コロニーをわざわざ爆破する理由は結局説明されぬまま映画は終わってしまうため舞台設定の説得力が欠けていたり、植物が枯れてしまった原因があれほど悩んだあげく「○○」であったとはとても植物の世話を8年間続けてきた人間とは思えなかったり…。全編にわたって、SF映画としては粗末なシナリオだと言わざるをえません。
なにより植物にはあれほどの愛情を注ぐ主人公が序盤で早速、仲間たちすべてを殺害するという展開はとにかく後味が悪く、それのなにが「仕方なかったんだ」と言っているのかは、まったく理解できません。
しかしその後味の悪さ、その後の主人公の孤独・孤立と、辿る結末。それらはいずれとも「エコロジストの苦悩」まさしくそのものです。「なんのためのエコロジーか」というテーマが 1972 年と言う早い時代に切り取りだされている点は驚く他ないでしょう。面白いことにこの孤独な舞台と雰囲気から、SFでありながらアメリカンニューシネマのようなテイストを併せ持っている点も 1972 年公開作品ならでは(と言うことなのでしょうか…?)。
また 1970 年代のSF作品らしい特徴が未来世界をユートピアとして設定されている点で、21世紀の地球は「気温は24度に保たれ」「犯罪も失業もない」とされています。
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