映画やアニメに登場する、あの未来技術がどこまで実現してるのか調べよう!
みんなでつくる未来予想図
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  • 種類: 映画
  • 発表年: 1968
  • 舞台年: 2001
  • 舞台年補足:
  • 未来世界の描かれ方:

「2001年宇宙の旅」は、1968 年に発表された映画作品。発表年の 33 年後となる 「2001 年」が舞台となる。

登場する未来技術

  • 宇宙旅行
  • 宇宙ステーション
  • 声紋識別セキュリティ装置
  • テレビ電話
  • 月面ステーション(→ 惑星間移住)
  • 「ロケットバス」
  • 無重力トイレ(実際には映し出されないので未来技術かどうかは不明)
  • PDA(月面探査に携わる作業員、ディスカバリー号乗組員らが使用)
  • 木星探査(人類初という設定)
  • 人工冬眠
  • HAL(1992年1月12日に起動)
  • 船外活動ポッド
  • 電気自動車…「2010年」にて。自動車がモーター音らしきノイズで走行している。

なお、その他の興味深い演出を以下に記す。

  • 誕生日プレゼントとして電話機をねだる幼い娘に、父親が「電話機なら何台も持っているだろう」とたしなめる台詞がある。
  • 会議が始まる前になんかしてる(撮影?)。
  • カメラは巨大で、フィルム式(モノリス前での記念撮影のシーンでフィルムを巻き上げる動作をしている)。
  • (「2010年」にて)フロイド博士が浜辺にて Apple IIc を使っている(広告と考えられる)。

作品レビュー

文:forevision.jp

タイトルまで暗転したまま3分、やがて笑ってしまうほど仰々しいタイトルが挟み込まれ、本編までさらに2分、そしてなにかの間違いかと思わせるシーン1が始まる…なんど観ても「これこそが映画」という感覚を呼び起こさせてくれます。

クラークとキューブリックによる「多メディア戦法」のハシリとも言うべきでしょうか。小説版とは異なり、この映画は意図的に説明が排除されていていちど見ただけで内容を理解できないように作られています。しかし「2001年:宇宙の旅「映画版」」も、これはこれで完成された作品であり公開から年月を経て実際に2001年を経た現在に至っても、「不朽の名作」という評価は揺るいでいないのです。キューブリックは、クラークとともに企てたコンセプトを極限まで洗練させて映画化しています。ですから、必要最小限のシーンと台詞しかないので想像力をたくましく持てば、映画のみで物語を読み解くコトも不可能ではない筈です。

もっとも、この傑作を解説しているサイトをネット上にいくらでも見つけることもできるので、観賞後であれば手っ取り早く理解するためにこれらに触れてみてもよいでしょう。
http://www.kubrick2001.com/

凄まじい露光時間を費やして撮影された宇宙空間の映像は重厚で特撮だと興ざめさせることのない出来栄えであり、以後の作品において映像特殊効果に求められるクオリティーを跳ね上げるきっかけともなっています。さらに、明るい被写体に露出を合わせているショットでは遠景の星が暗く潰れているなどささやかなディテールに至るまで神経を尖らせ、説得力のあるリアリティーに徹底的に拘っています。…これはキューブリックが映像の中に「嘘」を紛らわせることが作品のテーマを映画化する上で大きな傷となるのを理解していたからでしょう。

この作品のテーマを語る上で「人間はいずれ宇宙を目指すのである」という前提条件は非常に重要になります。キューブリックは、この前提条件を観客に合意させるためにも宇宙旅行という絵空事を絵空事のままのクオリティーの映像で描いてはならないと理解していたからではないでしょうか。この作品を成立させるのは「まるで現実のような、説得力ある特撮映像」であると考えたからではないでしょうか。

「未来技術」と呼び得るものもいくつも登場しますがこれらもいずれとも科学的に検証がなされているものばかりで、公開当時であっても実現不可能と考えられるようなテクノロジーは登場しません。これも、映像に現実感と説得力を与えるための配慮だったはずです。

「なぜヒトは高く、空を、星を、宇宙を目指すのか」。その理由がモノリスの意思なのかどうかは別としてわたしたちがまるで本能かのように、技術力を手に入れる度に高く、上へ空へと目指しているコトはクラークとキューブリックが指摘しているとおりです。

なお、HALの行動の謎を解き明かし、より明確なメッセージを与えられた「2010」も悪くはないのですが、しかし「2001:〜」の格調、気品の高さと並べてしまうと引き立て役に成り下がってしまいます。

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実際にいま改めて何度か観てみましたが、観る度に新しい発見があり音楽を含めた構成や編集の完成度の高さには舌を巻きます…。

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更新:2024.01.24. (水) 15:40:32
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