プロメテウス
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- 種類:映画
- 発表年:2012
- 舞台年:2089
- 舞台年補足:
- 未来世界の描かれ方:
「プロメテウス」は、2012 年に発表された映画作品シリーズ。発表年の 77 年後となる「2089 年」が舞台となる。
関連作品 †
登場する未来技術 †
- 恒星間航行船:プロメテウス号。
- 星間有人航行
- 冷凍睡眠
- 透過型ディスプレイ
…操縦席のディスプレイ、冷凍睡眠装置の情報表示機器など。 - 空中投影ディスプレイ
- 艦内のロケーションマップ表示装置、
- ブリーフィングのシーンで登場する携帯サイズのもの、など。
- ジェスチャーインターフェイス …ブリーフィングのシーンにて。
- 夢共有装置 …他人の夢を覗き見ることができる。
- バイオロイド …「デイビッド(第8世代)」
- 医療ロボット …「MED POD 720i」。開腹手術もできる。
- 「パップ (Pup、子犬)」…洞窟内を探索し、レーザースキャンで地図を作成するドローン(無人機)。片手で掴める大きさのボール型で、反重力エンジンにより飛行するが羽やプロペラが見当たらない。
- テラフォーミング
… www.projectprometheus.com によると、下記のように太陽系外の惑星も多数テラフォーミングされ、植民地化されている。なお、テラフォーミングにはそれぞれの星において8年程度の期間が費やされている。- 2039 年に最初の月面コロニーが発足、人口 1,000 万人弱。
- 2040 年に最初の火星コロニーが発足、人口 4,000 万人。
- 2048 年に 15.3 光年離れた惑星にコロニーが発足、人口 1,440 万人。
- 2068 年に 1400 光年離れた惑星にコロニーが発足、人口 230 万人。
- 2071 年に 3095 光年離れた惑星にコロニーが発足、人口 6,500 人。
ウェイランド社史より †
出典:http://www.weylandindustries.com/timeline
- 2029 年 8 月 09 日 …大気生成装置を実現、後のテラフォーミング事業で応用
- 2030 年 7 月 27 日 …冷凍睡眠装置を実現
- 2032 年 5 月 20 日 …超高速航行を実現
- 2056 年 1 月 29 日 …パワーローダーを実現
- 2071 年 8 月 16 日 …シナプス復元技術を実現、死人の脳を再稼働させることが可能に
作品レビュー
リドリースコット監督は「もし人類の起源が異星人の仕業であるならば」という壮大なミステリーを、「エイリアン」ユニバース(=エイリアンの世界史)になぞらえるとともにさまざまな未来技術を交えて紡ぎ始めました。作中では「2001年宇宙の旅」のオマージュとも読み取れる描写が散見されますが、「プロメテウス」は「2001〜」と似ているようでまったく異なる物語、および世界観です。
この作品では、「エイリアン」ユニバースにおける謎にいくつかの回答を示していますが、増えてしまった謎もあります。それらの解明には、すでに制作が決定していると言う続編を待たなければなりません。だからと言って続編ありきのつまらない作品かと言うと、まったくそんなことはありません。
このプロメテウス号の物語を魅力的にしているもののひとつが、ウェイランド社の生み出した最先端技術の結晶「デイビッド8」です。(蛇足ですが、デイビッドという名前は同じくキューブリック原案の「A.I.」に出てくるアンドロイドと同じ名前。オマージュなのかどうかは分かりませんが。)
この人造人間「デイビッド8」を通して、リドリースコット監督は非常に面白い指摘をしています… 2012 年現在わたしたち人類はもうすぐバイオテクノロジーの進歩によって「創造主」になろうとしているのに、自分たちの「創造主」についてはよくわかっていないままだということです。
「人類の起源」は各国の神話でも触れられているとおり、太古の昔からわたしたちにとってミステリーでした。ダーウィンの進化論も有力でありながら、いまだに決定的な証拠に欠けたまま(いわゆるミッシングリンク)です。わたしたちの創造主はいまだミステリーであり、「神の仕業」と考えている人々も多いのです。
劇中では、十字架のペンダントが繰り返し映し出されます。これは主人公の父親の形見であると同時に、神や信仰の象徴でもあります。つまりわたしたちの「生みの親=創造主」の象徴となっている訳です。エンディングでこのペンダントが誰から誰に手渡されたかに注目すれば、彼女がそこで並々ならぬ決意を固めたことが伺われます。
高い知能を持ち好奇心旺盛な「デイビッド8」の目には、自分の創造主でありながら創造主を探し求めて危険な旅に出るという人間たちの姿が、どのように映ったのでしょうか…リドリースコット監督には煙たがられる言い草かもしれませんが、そこには同監督の「ブレードランナー」にも通ずる叙情性を思い起こさせます。
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