映画やアニメに登場する、あの未来技術がどこまで実現してるのか調べよう!
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タグ/未来技術コンセプト/架空のコンセプト

  • エアカー/スカイカー/Flying Car
  • PAV (Personal Air Vehicle)
  • フライングプラットフォーム

などとも呼ぶ。

空飛ぶ自動車はつまり、自家用飛行機です。「未来の都市」を想像すると同時に真っ先に思い浮かぶコンセプトですが、そもそもこのコンセプトの利点はなんでしょうか。

利点

それは、「道路が必要なくなる    "We don't need THE ROADS."   」という点に集約できるのではないでしょうか。道路が必要なくなると、以下のような利点が考えられます。

  • 利点1…「経路=二点間の距離」となり、航行距離が短くなる。所要時間が短縮される。
  • 利点2…渋滞がなくなり、所要時間が短縮される。
  • 利点3…ほかの車や歩行者と、交わったり擦れ違ったりすることがほとんどなくなる。事故が減る。
  • 利点4…道路(舗装)工事、交差点および信号機器が不要となる。
  • 利点5…たとえば「地上50階→地上50階」の間を直接移動できる(100階分の移動を省略)。

ちなみに、以上のような利点が活きるのは主に渋滞に悩まされる都市部や、重要な幹線道路に限られてくるようにも考えられます。

必要要件

上記のような利点を得るために、空飛ぶ自動車は以下のような要件を満たす必要があります。

  • 要件1…自動車と同等、もしくはそれ以上の速度が出せる。
  • 要件2…自動車と同等、もしくはそれ以下のエネルギーコスト/排出。
  • 要件3…自動車と同等、もしくはそれ以下の騒音。
  • 要件4…垂直離着陸ができる(滑走路が必要になってしまうと滑走路が渋滞するため)。
  • 要件5…自動航行装備と、管制システムの整備。
  • 要件6…墜落の危険性が限りなく低い安全性能、もしくは交通システム。

実現可能性の検証

以上の要件を、家庭用として普及できる価格と簡便性(操縦の簡便性、免許システムなどなど)で実現させるものでなくてはなりません。現在の科学力で(かつ地球上で)これを実現するとなると、次の2つの原理が考えられます。

  • 原理1…揚力を利用する。ヘリコプターの原理。
  • 原理2…浮力を利用する。熱気球や飛行船の原理。

以上2つの原理で実現できるかどうか考えてみましょう。

まず<原理1>ですが、事実、自家用ヘリコプターが販売されておりすでに一般的に利用されています。上記の<要件>の大部分もクリアしているため、もう少し手軽にさえなれば冒頭に掲げた「自家用飛行機」というコンセプトを実現させられそうな気がします…が、主に都市部での活躍が期待される「空飛ぶ自動車」たるヘリコプターには、文字通り「一家に一台」普及させられない致命的な欠陥があります。<要件3>をクリアできていません。ヘリコプターが普及し、昼夜構わずあちらこちらで離発着をされると、ものすごい騒音になるでしょう。これは空気を切り裂く形で揚力を得る原理ゆえの問題のように考えられます。もちろん、ジェットによる離発着も同様です。しかし<原理1>は、<要件3>をクリアできれば有力です。

次に<原理2>ですが、飛行船にしろ熱気球にしろデカ過ぎます。全長 50 m 近くになる船体を「自家用」とは呼べません。地球上で浮力を得るためには空気より軽い気体を利用することになる訳ですが、これを実用的な量集めるとこの大きさになってしまう訳です。圧倒的な低コストで浮揚し、静かで揺れも少ないという飛行船には得意な用途もあるかもしれませんが、移動手段にはほとんど適さないように考えられます。

展望

空飛ぶ自動車…「自家用飛行機」が普及するためは、なにかしらの革新的な技術が必要なようです。空中浮揚を実現する技術について、いくつか興味深い研究はあります。

  • カシミール引力を反転して対地反発力を得る研究

ちなみに、SF作品において空中浮遊を可能にしているほかの技術はどんなモノがあるでしょうか。(ページ下の「このページにリンクしているページ」も参照ください)

  • 反重力装置
  • 飛行物質
    • 映画「アバター」に登場する「アンオブタニウム」

…など。

実用化の動き

近年、電動で垂直離着陸できる乗り物が空飛ぶクルマとして注目を集めています。専門的にはeVTOLと呼ばれ、電動であることによってメンテナンスが容易になり、飛行時の騒音も抑えることができると期待されています。

多くの企業がeVTOLの実用化年度を2023年から2025年の間に設定しています。また、各国政府もeVTOLに関する法律の制定を急ピッチで進めている状況です。

関連リンク

クラスターファンVTOL技術による「空飛ぶクルマ」の提案
http://www.apg.jaxa.jp/research/mujinkimirai/vt_flyingcar.html
JAXAによる、クラスターファン VTOL の応用案。
[GEN CORPORATION]
http://www.gen-corp.jp/
一人乗りヘリコプター。

関連ニュース

2019.09.26. 「空飛ぶ車」、実は4年後には走るんだって…:空飛ぶ車の今まとめ
https://www.gizmodo.jp/2019/09/frying-car.html

超伝導

2011.10.19. ドライアイスみたいなものが手のひらの上で空中浮揚してる、これって何?
http://www.gizmodo.jp/2011/10/post_9515.html
テルアビブ大学 Guy Deutscher 教授チームの、超伝導体による「量子ロック」「量子トラップ」デモ。
2012.01.04. 「量子浮揚(クォンタムレビテーション)」で反重力レースを再現したムービー
http://gigazine.net/news/20120104-controlled-quantum-levitation/
動画:Controlled Quantum Levitation on a Wipe'Out Track。JIST(JAPAN INSTITUTE OF SCIENCE AND TECHNOLOGY)を名乗る、詳細不明の組織。

プロペラ・ジェット・有翼

2001.07.09. 冷戦下で進められていた「空飛ぶ円盤」の開発
http://wired.jp/wv/archives/2001/07/09/冷戦下で進められていた「空飛ぶ円盤」の開発/
1950 年代に開発された Avro Canada VZ-9 "Avrocar"。
2007.07.22. Moller M200G 自家用空飛ぶ円盤 生産開始
http://japanese.engadget.com/2007/07/22/moller-m200g-ufo/
8基のプロペラエンジンを搭載した2人乗り。$9,000- より。
2011.06.15. 滑るように低空を飛ぶ「ホバーバイク」にドンピシャな乗り物が開発中
http://dailynewsagency.com/2011/06/10/hoverbike/
Chris Malloy の "HoverBike"。プロペラ式。最高速度 278km/h、最高高度 10000 ft。120kgくらいを乗せて飛べ。
2011.04.16. 一人乗りの超軽量小型飛行艇「Flynano
http://gigazine.net/news/20110416_flynano/
水上飛行機。電気駆動、ガソリン駆動の2タイプ。巡航速度 130km/h+。
2011.07.11. 「空飛ぶ自動車」、2012年発売へ
http://wired.jp/2011/07/11/「空飛ぶ自動車」、2012年発売へ/
「道路を走れる飛行機」、Terrafugia "Transition"。2012 年、$250,000- で発売予定。
2011.10.31. 葬り去るには惜しいかも...普通に車庫にしまえて道路も走れる飛行機「BiPod」
http://www.gizmodo.jp/2011/10/this-flying-car-was-the-final-creation-of-an-aviation-genius.html
2011.12.02. 世界初! ドイツで電動マルチコプターの有人実験に成功
http://www.gizmodo.jp/2011/12/is_this_a_german_takecopter.html
ドイツ e-Volo 社の「マルチコプター」。積載重量約 80kg。
2012.01.01. 空飛ぶ軍用車「トランスフォーマー」
http://www.cnn.co.jp/photo/6579-10000256.html
DARPA が支援する、ロッキード・マーティンやカーネギーメロン大学などの共同プロジェクト。
2012.04.11. 空飛ぶ車 PAL-V One の飛行試験に成功
http://slashdot.jp/story/12/04/04/018212/
オランダの陸空両用車 PAL-V。最初の商用モデルは 2014 年発売、25 万~ 30 万ユーロを予定。
2012.09.04. スター・ウォーズのスピーダーバイクが現実に
http://wired.jp/2012/09/04/aeroflex-jedi-hover-bike/
アメリカ Aerofex 社の "Tandem Duct Aerial"。ダクテッドファンで浮き上がるバイク。高度約 1.5~4.5m を飛行し、最大荷重約 360kg。
2012.11.29. 日本のメーカー、「1人乗りヘリ」を開発
http://wired.jp/2012/11/29/hirobo-hx-1/
ヒロボー社の "HX-1"。時速約 96km で 30 分間飛行できる。
2013.05.18. 垂直離着陸が可能な空飛ぶ自動車「The TF-X」が目指すクオリティとは
http://gigazine.net/news/20130518-the-tf-x/
2013.10.22. 空飛ぶ自動車「AEROMOBIL 2.5」の開発がスロバキアでも進行中
http://gigazine.net/news/20131022-aeromobil-roadable-aircraft/
2014.03.11. “空飛ぶじゅうたん”は実現するか 「超小型垂直離着陸機」飛行実験へ
http://www.itmedia.co.jp/news/articles/1403/11/news040.html
産業技術短期大。
2019.03.07 ジェットエンジンで浮かび上がる空中バイク「Speeder」の予約販売がスタート
https://gigazine.net/news/20190307-flying-motorcycle-the-speeder/
2019.8.5. NEC、「空飛ぶクルマ」実現に向けた試験機の自律飛行に成功
https://pc.watch.impress.co.jp/docs/news/1200133.html
2019.10.23. 日本ベンチャーの“空飛ぶバイク”、来年出荷 2023年には公道走行を目指す
https://www.itmedia.co.jp/news/articles/1910/23/news135.html
日本初「空飛ぶクルマ」有人飛行に成功 23年に実用化へ
https://www.itmedia.co.jp/news/articles/2008/28/news142.html
SkyDrive SD-03。

その他

2007.08.09. 物理学研究チームが空中浮遊の謎解明、ホバーボードも夢じゃない!?
http://www.gizmodo.jp/2007/08/post_2015.html
セント・アンドリューズ大学の物理学グループがカシミール引力を反転し、浮遊する技術理論を発表。
2011.03.22. イランが空飛ぶ円盤を作った模様です
http://www.gizmodo.jp/2011/03/post_8723.html
詳細不明。
2011.11.16. この空飛ぶ座布団乗りたい!
http://www.gizmodo.jp/2011/11/100_19.html
神戸学院大学の研究。ホバークラフト型、推進機能はないため手で押す。
2014.06.29. 想像するだけで飛行機をほぼ完ぺきに飛ばすことに成功
http://karapaia.livedoor.biz/archives/52166820.html
2016.12.25. 空飛ぶ車実現の鍵を握る自動運転車とドローンのテクノロジー
http://jp.techcrunch.com/2016/12/25/20161223our-self-flying-car-future/
2019.03.11. 音の94%を遮断できる新しい素材を3Dプリンターで開発
https://gigazine.net/news/20190311-acoustic-metamaterial-cancel-94-percent-sound/
Phys. Rev. B 99, 024302「音響メタマテリアル」。

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更新:2024.01.24. (水) 15:40:10
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